こんにちは,メディックメディア編集部です.

臨床検査には知識だけでなく適切な機器が不可欠ですが,どんな機器が必要なのかあまり知らない人もいるのではないでしょうか.

今回は,臨床検査技師の方が使っている機器や技術の発展に伴う変化を紹介していきます!

検体検査に使われる機器

検体検査は血液など,患者さんから採取したものを対象とする検査です.患者さんから採取した検体を直接取り扱う機器にはどのようなものがあるのでしょうか?

遠心分離機


①できることと役割
遠心分離機は遠心力を利用し,比重の違う検体を分離する装置です.血液中の血球と血清を分離するなど,さまざまな検査の前準備として使われます.

②技術の進歩による発展
近年では全自動運転による効率化や精度の向上が進みました.
検体を給液し,遠心力によって分離し,分離機からそれぞれを取り出して装置を洗浄するという一連のプロセスを全自動運転で行えるようになり,装置の密閉性も向上し異物の混入が防げるようになったことで,遠心分離機を使う臨床検査全体の精度と効率が伸びています.

血球計数装置

①できることと役割
血球計数装置は血液中の赤血球・白血球・血小板の数を測定し,状態を調べる装置です.血液検査に使用されますが,近年では血中のタンパク質濃度を調べるCRP測定ができるものも増えています.

②技術の進歩による発展
小型化やAIの導入による精度の向上と検査の簡便化が進んでいます.また特筆すべきことには,光学測定法と電気抵抗法を組み合わせることによって血球の数を測定するだけではなく,血球の状態を調べ異常なものを発見する検査となったことが挙げられます.検査の質が変わり,診断への貢献度が上がったことを意味しています.

顕微鏡

①できることと役割
微小な検体を拡大し肉眼で確認できるようにする装置です.皆さんも使ったことがあるかと思いますが,身体の微小な組織を検査する際に使われています.

②技術の進歩による発展
標本を動かしやすくするステージの進化や,両目で無理なく観察できるようになる複眼式の普及など観察のしやすさの向上が見られます.それに加えて,測光や測色によって検体の定量的な評価ができるようになり,顕微鏡の役割が拡大しました.

生体検査に使われる機器

生体検査は身体表面や臓器を対象に行う検査です.身体の中の状態を調べる機器について見てみましょう.

脳波計


①できることと役割
脳波計は頭皮に電極をつけ,脳の神経細胞が出す電気信号を記録することで脳の状態を調べる装置です.脳波検査に使います.

②技術の進歩による発展
それまで使用されていた湿電極ではなくドライ電極を使うことで装着が簡単になり,ワイヤレス化と合わせて患者のいる場所での検査が行いやすくなりました.また,医療にとどまらず他産業でも応用されています.ブレインテックと呼ばれ,マーケティングやスポーツの分野などでも脳波が活用されるようになっています.

筋電計

①できることと役割
筋電計は筋肉が動く時に発せられる微弱な電気信号を,身体に取り付けた2つの電極間の差異として記録する装置です.筋肉や神経状態を把握する際に使われます。

②技術の進歩による発展
無線化や小型化が進んだことで場所を選ばず検査ができるようになり,患者の近くで診断と治療を行うpoint of careの推進に貢献しています.また,筋肉を動かそうとする意図を電気信号として感知できるため,装着者の思う動きをより再現しやすいロボット義手やデジタルゲームへ応用されるなど,ヒューマンインターフェースの領域でも活きています.

超音波診断装置


①できることと役割
超音波を臓器に当て,その反響を記録することで臓器の状態や病変を調べる装置です.放射線を使わないため,安全に臓器を調べる時に使われます.

②技術の進歩による発展
小型化,無線化によりpoint of careの推進に貢献しているほか,AIによる診断支援の導入によって医師による検査技量のブレが小さくなり,診断のレベルが上がることが期待されています。

ーーーーーーーーーー

臨床検査に使われる機器について紹介してきましたが,いかがでしたか?

どの装置でも,AIの導入や無線化・小型化といった発展が見られ,検査精度の向上や効率の上昇,検査のハードルの低下につながっています.進化が続く検査機器を扱える臨床検査技師の重要度もどんどん上がっていくのではないでしょうか.